「工務店を経営しているが、なかなかうまく集客できない」「今まで既存顧客や知り合いの紹介に頼ってきたが、もっと効果的な集客方法が知りたい」そんなお悩みを抱えている工務店の経営者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
近年では多くの顧客が情報収集の手段としてインターネットを活用しています。そのため、Webサイトやブログなどを通して、自社の強みや施工事例をアピールすることの重要性が以前よりも高まっています。チラシや紹介などの旧来型の集客手段では、効果が出にくくなっているのを感じている方も少なくないのではないでしょうか。
効果的な集客戦略は、工務店の売上アップに直結します。集客活動に時間や費用を割くのは大変だと感じている方もいるかもしれませんが、適切な方法を選ぶことで、労力と費用対効果の高い成果を出すことができます。本コラムでは、工務店の集客力を高めるためにおさえておきたいポイントや具体的な集客方法について解説していきます。
集客にお悩みの工務店の経営者さまはぜひご一読ください！
工務店の集客でおさえておきたいポイント
まずはじめに、工務店の集客でおさえておきたいポイントをご紹介します。
工務店の集客ポイント①ターゲット層を明確化する
工務店の集客を進めていく上では、どのような層にアプローチするのか、つまりターゲットを決めることが重要です。ターゲットを定めないまま、幅広い層に届くようにと集客施策を実施しても、費用がかさむだけで思うような効果は得られません。そこで、ターゲットは以下の項目を踏まえて、一人の人物像を詳細にイメージしましょう。
・年齢層
・性別
・家族構成
・職業
・ライフスタイル
・住んでみたいエリア
・憧れている暮らし
例えば、「自然素材を使った健康的な暮らしをしたいと考えている都内在住のIT企業に務める30代の夫婦」をターゲットとした場合、「自然光がたっぷり入る明るいリビング」「広々としたワークスペース」「庭で野菜を育てられるような暮らし」といったニーズが見えてきます。
その場合、例えばSNSを取り入れた施策を実行し、「自然光が入るリビング」「広いワークスペース」「家庭菜園ができる庭」などを取り入れたコンテンツを発信するのが良いと判断できるでしょう。
上記のようにターゲットを明確化したうえで、集客の手法を選択し、実行するのがポイントです。
工務店の集客ポイント②自社の強み・魅力を再確認する
自社の強み・魅力を再確認して、ブランディングしましょう。
例えば、「手頃な価格の注文住宅」を売りにしても競合が多く、ユーザーに響きにくい場合があります。そこで、「電気代20％削減の省エネ住宅専門」「木のある暮らしを楽しめる木材住宅に特化」など、ユーザーに響く魅力を細分化してアピールすることが大切です。
このように、競合にはない自社の強みを打ち出すことができれば、より効果的な訴求ができます。
工務店の集客ポイント③PDCAサイクルを回す
集客施策を実施する上でPDCAサイクルを回すことも重要です。
PDCAサイクルとは、Plan（計画）、Do（実行）、Check（評価）、Action（対策・改善）の4つのプロセスを繰り返し、目標達成や業務改善を行うフレームワークです。それぞれのプロセスは以下のことを意味します。
・Plan（計画）：費用の概算や仮説を立てて集客の計画をつくる
・Do（実行）：集客の施策を実行する
・Check（評価）：かけた費用に対して効果が出ているか結果を確認する
・Action（対策・改善）：結果を踏まえ改善に向けた計画をつくる
PDCAサイクルを実行することによって、かけた費用に対して結果が出ているのか、また改善すべき点は何かを探ることができます。これにより、費用をかけすぎてしまうことなく、効率的に集客の施策を実施していくことが可能となります。
工務店の集客の4ステップ
続いて、工務店における集客の4ステップを紹介します。
まずは、工務店の認知度を高めましょう。
より多くの方に知ってもらえれば、リスティング広告やホームページで宣伝した際も親近感を与え問い合わせなどの増加が期待できます。
認知度を高めるおすすめの方法は、SNS運用やYouTube動画、公共交通機関への広告看板の設置などがあります。
問い合わせを発生させる施策とは、工務店に興味関心を持ったお客さまに、資料請求や見学会予約などの行動を促す施策です。
具体的な方法としては、チラシやリスティング広告、SEO、MEOなどが考えられます。
問い合わせを発生させるために、工務店の具体的なサービス内容やお客さまが受けられる恩恵などを訴求しましょう。
また問い合わせをしやすくするために、問い合わせフォームをわかりやすく簡単にしておくことも必要です。
成約に結びつけるとは、つまり、問い合わせしてくれたお客さまに契約してもらうことです。
そのために、お客さまのニーズをヒアリングして、要望に合わせたプランを提案します。
わかりやすい資料を用意し、丁寧に説明することが必要ですし、コミュニケーションや説明方法にも工夫が必要です。
完成見学会などのイベントで工務店の魅力を伝えることも有効です。
成約後には、アフターフォローを忘れないことも重要です。
成約したから終了というスタンスでは、顧客を後々不安にさせかねません。親切ではないという印象にもつながります。
工事完了後も定期的に連絡を取り、メンテナンスなどのサービスを提供するなど、アフターフォローにもこだわりを持つことで、好印象につながり、ポジティブな口コミをもらいやすくなります。
具体的な工務店の集客方法
それではここで、具体的な工務店の集客方法を紹介します。
●リスティング広告
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで特定のキーワードを検索したユーザーに対して表示される広告です。工務店にとって、リスティング広告は顕在層（すでに家づくりを検討しているユーザー）に直接アプローチできるため、非常に効果的です。例えば、「神奈川 注文住宅」や「兵庫 リフォーム」といったキーワードを設定することで、地域密着型の広告を展開できます。また、広告のクリック課金制（CPC）により、予算に応じた柔軟な運用が可能です。
●ホームページ・ブログでのSEO対策
SEO（検索エンジン最適化）対策は、工務店のホームページやブログなどがGoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果ページで上位に表示されるようにするための施策です。具体的には、地域名＋注文住宅やリフォームといったキーワードを含むコンテンツを作成し、内部リンクの最適化やメタタグの設定を行います。また、施工事例やお客さまの声を掲載することで、信頼性を高めることも重要です。定期的なブログ更新もSEO効果を高めるのに有効な手段の一つです。
●YouTubeの活用
YouTubeは、視覚的に情報を伝えるのに非常に効果的なプラットフォームです。工務店は、完成した住宅のルームツアーや施工過程の動画、DIYのコツなどを動画で紹介することで、視聴者にリアルなイメージを提供できます。また、スタッフの紹介やお客さまのインタビュー動画を通じて、信頼感を醸成することも可能です。YouTubeにはコメント欄もあるため、これを活用して、視聴者とのコミュニケーションを図ることもできます。
●SNSの活用
SNS（ソーシャルネットワーキングサービス）は、工務店の集客において非常に有効なツールです。Instagramでは施工事例の写真を投稿し、ハッシュタグを活用して広く認知を広げることができます。また、FacebookやＸ（旧Twitter）では、イベント情報やブログ記事のシェアを通じて、フォロワーとのエンゲージメントを高めることが可能です。
●Googleビジネスプロフィールへの登録によるMEO対策
Googleビジネスプロフィールに登録することで、工務店の情報がGoogleマップや検索結果に表示されやすくなります。これにより、地域の潜在顧客に対する認知度が向上します。MEO（Map Engine Optimization）対策として、正確な住所や営業時間、写真、口コミを定期的に更新することが重要です。特に、ポジティブな口コミが増えることによって、信頼性を高めることができます。
●ポータルサイトへの登録
ポータルサイトへの登録は、工務店の集客において効果的な手段の一つです。ポータルサイトに登録することで、家づくりを検討しているユーザーに対して広くアプローチできます。ポータルサイトはすでに多くのユーザーが利用しているため、効率的に集客を進めることが可能です。ただし、登録料や紹介料が発生するため、コスト管理も重要となります。
●展覧会や完成見学会などのイベント出展
展覧会や完成見学会は、興味関心度の高い顧客を集められるチャンスです。来場者とコミュニケーションを取りながら、関係を築いていけば、成約につながる可能性も高くなります。こうしたイベントは無料開催が一般的です。だからこそ、顧客目線では参加するハードルも低くなり、気軽に足を運んでもらえるでしょう。また、展覧会や完成見学会は工務店の施工品質やデザインを直接見てもらう絶好の機会です。実際の住宅を見学することで、顧客は具体的なイメージを持ちやすくなります。さらに、DIY教室や資金相談会などのイベントを開催することで、地域住民との接点を増やし、信頼関係を築くことも可能になります。定期的にイベントを開催することで、認知度と成約率の向上が期待できます。
●看板の設置
地域に根ざした施策として、看板の設置も有効です。看板は、工務店の認知度を高めるための効果的な広告手段です。人通りが多く見えやすい位置に看板があれば、目に止まりやすく、認知してもらえる可能性が高くなります。特に、交通量の多い道路沿いや住宅地の空き地に設置することで、多くの人の目に触れることができます。何度も同じ道を通る人に対しては繰り返しアプローチでき、看板を通じて、認知の向上につながるでしょう。
看板のデザインはシンプルで目立つものが効果的で、会社名やキャッチコピー、連絡先やQRコードを掲載することで、詳細情報へのアクセスを促すことができます
このように工務店の集客方法には、オンライン、オフラインでそれぞれさまざまなものがあります。
より効率的な集客を行うためには複数の集客方法を並行して活用することが重要です。例えば、オンライン広告とオフラインの展示会や見学会を積極的に紐づけることで、顧客が自社情報にアクセスしやすい環境を整備したり、SNSなどを通じてイベントを告知し、イベントに足を運んでくれた顧客にSNSをフォローしてもらうことで定期的に自社情報を発信するサイクルを構築することも可能になります。
ターゲット層に合わせてこれらの方法を組み合わせて活用することで、工務店の集客力向上が期待できます。
ここまで工務店の集客方法について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。工務店の集客方法にはさまざまなものがありますが、やみくもに実施するのではなく、まずターゲットを明確に設定し、そのターゲットに合わせた方法を選択することが、成功のカギとなります。このコラムで紹介した内容を参考に、あなたの工務店の魅力が効率的にターゲットに届く方法を選択して、集客アップをめざしましょう！
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