Webサイトの運用に関わる方なら「Webサイトの運用にはSEO対策が必要」そんな言葉を目に、耳にされる機会が多くあると思います。
「自社のWebサイトを検索エンジンで上位表示させたい」という思いは、Webサイトをお持ちの方なら多くの人が持たれている願望ではないでしょうか。
そのような願望を叶えるために重要な役割を果たすのがSEO対策です。
しかし、SEOには多くの手法があり、初心者にとっては何から始めればいいのか迷うこともあると思います。このコラムでは、SEOの基本から具体的なSEO対策方法までを紹介します。
SEOとは
SEOの意味
SEOとは「検索エンジン最適化」を意味する、Search Engine Optimizationの略称です。自社のWebサイトを検索エンジンで上位表示させて、検索結果からユーザーの流入を増やすための施策のことをいいます。
SEO対策を行う目的
Googleをはじめとした検索エンジンで上位表示できると、Webサイトへの流入が増え、認知拡大や、問い合わせ・資料請求などのコンバージョン増加につながります。広告枠ではなく、オーガニック検索(自然検索)枠からの流入の量や質を改善することがSEOの目的です。
自然検索結果で最もクリック率が高いのは、やはり1位に表示されるページです。自社のページをWeb上に公開していても、取り扱うサービスや商品に関連するキーワードの検索結果で5ページ目や6ページ目に表示されているようでは、ユーザーと接触する機会はほとんど期待できません。情報を探しているユーザーに自社のWebページに訪問してもらえるように、関連するキーワードで自社のページが検索結果の上位に表示されるように対策する必要があります。
SEO対策の具体的な方法
検索エンジンの仕組みを知る
検索エンジンがホームページの検索順位を決定する要素として以下の3つの要素があります。
- クロール
- インデックス
- 検索結果の表示
検索結果で上位表示を狙う為には、この3つの要素を押さえておく必要があります。
検索エンジンはこの3つの要素を定期的にアップデートし、ユーザーが求めている情報が優先的に表示されるようにして、検索結果の品質を向上させています。
クロール
クローラーと呼ばれる検索エンジンのプログラムが、インターネット上のホームページを自動的に巡回し、新しいページを発見したり、既に公開されているページの更新をチェックしたりします。これによって、ホームページ上の情報が検索エンジンに収集されます。
クローラーはインターネット上に公開されている新しいページや更新されたページのURLを検出し、検出したページのテキスト、画像、動画などのコンテンツを確認します。この過程がクロールであり、自分が作成してサーバーにアップロードしたWebページのURLもクローラーによって発見され、そのWebページのコンテンツ内容を巡回されることによって認識されます。
インデックス
クローラーによって収集されたホームページの内容は、インデックスと呼ばれる検索エンジンのデータベースに保存されます。インデックスされる内容は、ページ内のテキスト、画像、動画などのメディア、リンクなどが解析され、キーワードやフレーズがカテゴライズされます。
解析では、Webページの重複や正規が判断されたり、正規ページのコンテンツに関するシグナル(ページの言語、ページの使いやすさ、検索クエリの単語、ページの関連性や有用性、ソースの専門性など)が収集されます。このインデックスを行うことが、ユーザーが検索したクエリに対する検索応答速度を上げるための基盤となります。
検索結果の表示
検索エンジンのアルゴリズムは、ユーザーが検索クエリを入力すると、インデックス内の情報を基に最も関連性の高い結果を選び出し、検索順位を決定します。
検索順位は、ページの関連性、信頼性、権威性、コンテンツの質、ユーザーエクスペリエンスなど多くの要因を考慮して決まります。
検索エンジンは膨大な数のWebページをクロールしてインデックスに登録します。そして、検索アルゴリズムはさまざまな要因とシグナルを照合して評価し、最も関連性の高い有用な回答(Webページ)を検索結果に表示(ランク付け)します。ユーザーが検索語句を入力すると、インデックス内で一致するページが検索され、関連性が高く高品質であると判断されたページが検索結果としてユーザーに表示されます。
SEOの種類
SEOには次のような種類があります。
内部対策<テクニカルSEO>
SEO内部施策のテクニカルSEOには以下のようなものがあります。
- URL適正化
- URL名を簡潔で意味のあるものに設定します。
リンク階層を浅くすることで、サイト内の各ページへのアクセスをスムーズにします。
カテゴリ一覧ページやタグ一覧ページを用意し、最新情報をTOPページやサイドカラムに掲載することで、クローラーがページを発見しやすくなります。 - エラーの修正
- リンク切れ(ソフト404エラー)を解消するなど、各種エラーを修正します。
これらの対策を実施することで、クローラーがWebページを効率的に巡回し、インデックス登録を適正化できます。また、ユーザーエクスペリエンス向上のためにページ読み込み速度の改善やモバイルフレンドリーへの対応もSEO対策を行う上で重要なことです。
内部対策<コンテンツSEO>
コンテンツSEOは、ユーザーの検索意図に適切に応えるコンテンツを作成し、上位表示をめざすための対策を指します。Googleなどの検索エンジンからの流入を増加させることが目的です。
コンテンツSEOには、具体的な方法として以下のようなものがあります。
- キーワードマップを活用してサイト設計する
- キーワードマップを作成し、メインキーワードと関連するキーワード(ロングテールキーワード)を選定します。これにより、コンテンツ制作やページ設計に焦点を当てるキーワードを明確にします。
- 検索ニーズに合ったページを作成する
- ユーザーの検索意図を考慮したライティングでページを作成します。ユーザーが求めている情報に適切に応えるコンテンツを提供することが重要です。
- トピッククラスター対策を実施する
- トピッククラスターは、ページごとではなく、サイト全体の評価を高めるためのSEO施策です。サイトの構造が検索エンジンから評価される重要なポイントであり、ユーザーと検索エンジンの両方にとってわかりやすいサイト構造を作り上げることをめざします。
具体的には、ピラーコンテンツ(メイントピック)とクラスターコンテンツ(サブトピック)をグルーピングし、コンテンツ同士を内部リンクでつなぐことで、グループごとのSEO評価を高めるコンテンツマーケティングの戦略です。 - 画像を挿入する
- SEOに効果的な画像を選定し、テキスト文章との関連性や必要性を考慮してページに挿入します。適切な画像はユーザーエクスペリエンスを向上させ、SEOにも貢献します。
外部対策
外部対策は、自社や自身のサイトの外部で行うSEO施策のことです。他のウェブサイトやソーシャルメディアなどの外部からの要素に着目します。具体的な施策としては、以下のようなものがあります。
- 被リンク(バックリンク)の獲得
- 他のウェブサイトから自社サイトへのリンクを増やすことで、検索エンジンからの評価を向上させます。SEO対策では質の高い被リンクを獲得することが重要となります。
- ソーシャルメディアでの発信
- 自社のコンテンツをSNSで共有し、ユーザーに知ってもらうための施策です。シェアやいいねを増やすことで、サイトへのアクセスを増やすことが可能となります。
- サイテーションの増加
- 他のウェブサイトやオンラインディレクトリで自社サイトについて掲載してもらうことにより評価を向上させます。特に地域ビジネスにおいては、ローカルディレクトリへの登録が有効となります。
SEOのメリット・デメリット
SEOのメリット
SEOにはさまざまなメリットがあります。
以下に、SEOの主なメリットを説明します。
購買意欲の高いユーザーを獲得できる
検索行動をしているユーザーは能動的で、自社のウェブサイトにアクセスした際にお問い合わせや購買行動につながる可能性が高いです。能動的なユーザーを集めることで、購買意欲の高いユーザーの集客につながります。
資産となる
SEO対策を行ったコンテンツは、軽微なリライトのみで成果を継続することが可能です。そのため、広告とは異なり、長期的な効果が期待できます。長期的な視点で見たとき、SEOは資産となります。
広告と比較して費用対効果が高い
SEOは購買意欲の高いユーザーを集めることに長けているため、広告に比べて費用対効果が高くなります。広告は配信を止めると効果がなくなりますが、SEO対策は中長期的な視点で見ればコスト効率が良いと言えるでしょう。
SEOのデメリット
SEOにはデメリットもあります。
以下に、SEOの主なデメリットを説明します。
キーワードの不足
今までになかった新しい商品やサービスは、まだ検索されるキーワードが存在しないことがあります。検索市場が育つまでに時間がかかるため、初めに取り組むマーケティング施策としてはSEOはお勧めできません。
成果が出るまでに時間がかかる
SEO対策を実装しても、検索エンジンに評価されて順位や流入に好影響が見られるまでには時間がかかります。ページ数が多いサイトほど、検索エンジンがページを認識して順位付けするまでに時間が必要です。早くて2~3ヶ月、一般的には半年~1年かかることもあることを覚えておきましょう。
外部影響による順位変動
競合サイトの取り組み状況や検索アルゴリズムのアップデートなど、外部の要因によって順位が変動することがあります。SEO対策を実施していく際にはこの点も考慮しておきましょう。
SEO対策をする上で大切なこと
SEOを行う上で重要な指標
SEOを行うにあたり、以下のような指標が重要になります。
検索エンジンからのオーガニック流入数の推移
オーガニック流入数とは、検索エンジンからのアクセス数のことを指します。具体的には、ユーザーが検索エンジンの検索窓からキーワードを入力し、表示された検索結果の広告枠を除いた部分からウェブサイトに訪れる流入数を指します。
各検索エンジンのアルゴリズムによってコンテンツの掲載順序が決まり、上位に表示されるほど流入数に期待できます。検索数を考慮しながらページを作成することは、オーガニック検索流入を増やすための重要なポイントです。
キーワードの検索順位
検索キーワードの順位は、検索エンジンの検索結果ページにおいて、あるキーワードがどの位置に表示されているかを示す指標です。上位に表示されるほど、多くのユーザーがクリックしてアクセスする可能性が高くなります。
SEOは、検索順位の上位を獲得して流入を増やすことが目的です。そのため、検索順位は欠かせない指標です。
コンバージョン数・率
コンバージョンとは、マーケティング分野においてゴールや目標のことです。ゴールや目標設定に決まりはなく、サイト運営者独自で設定します。例えば、商品購入や資料ダウンロード、問い合わせなどです。
コンバージョンが少ない場合、そもそもコンバージョンページへ遷移できていない可能性があります。各ページのコンバージョン数だけでなく、コンバージョンページへのアクセス数も確認することが必要です。
SEOを行う上で注意すること
SEOを行う際には以下のようなことに気をつける必要があります。
ブラックハットSEOなど、ペナルティを受けることをしない
外部サイトからたくさんリンクを集めたいからと、リンクを購入したり、対策したいキーワードはたくさん入っていたほうがいいから、ユーザーには見えない白い文字でキーワードをたくさん入れる、ライバルサイトのコンテンツをコピーして使うなど、不正なやり方でSEO対策をすることを「ブラックハットSEO」といいます。
一時期は効果のあった手法もありますが、不正な方法を用いると、Googleからペナルティを受け、Webサイトが検索結果に表示されなくなることもあります。
不正な方法や、アルゴリズムの穴をつくような方法は、最終的に自身の首を絞めることにもつながります。
倫理的にも、社会的信用性の面でも良くない行為であり、ペナルティを受けたときのダメージも大きいので、このようなことはしないように注意しましょう。
質を意識する
SEO対策のためにコンテンツを増やすことに注力するあまり、低品質のコンテンツを大量に掲載するのはSEO対策には逆効果となります。
特にWebサイトを立ち上げた初期には「質より量」と、多くのコンテンツを作りたいと思われるかもしれませんが、低品質のコンテンツはユーザーのためになりません。ユーザーの満足度を満たさないコンテンツを大量に掲載することはGoogleからの評価を落とすことにもつながなります。
コンテンツを見た人に満足してもらえるように、高品質のコンテンツを制作することを常に心がけましょう。
まとめSEOとは?SEOの意味と対策方法
近年、検索エンジンのアルゴリズムは目覚ましい進化を遂げ、単なるテクニックだけで上位表示を勝ち取ることは難しくなっています。このことからもわかるように、SEO対策の本質とは「ユーザーが求める情報を的確に届ける」ことです。そのためには、ユーザーの検索意図を深く理解し、良質なコンテンツを継続的に提供することが必要です。
表面的なテクニックに頼るのではなく、「ユーザーにどのように役立つのか」を常に意識し、改善と検証を繰り返すことが、これからのSEO対策において重要となります。
SEO対策の成功は、一夜にして成し遂げられるものではありません。しかし、ユーザーファーストの姿勢を貫き、継続的に努力を積み重ねることで、徐々に成果は表れるはずです。「ユーザーファーストの姿勢こそが、時代を問わず効果的なSEO対策の本質である」ということを忘れずにSEO対策に取り組んでいきましょう。
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