SEM(Search Engine Marketing)は、検索エンジンを活用したマーケティング活動の総称です。みなさまインターネットで何かを探される際に、検索エンジンを使って必要な情報を探されると思います。そのインターネットの世界には膨大な量の情報が存在し、検索エンジンではインデックスされた膨大な情報の一部分を探すことができます。しかし情報の一部分とはいえ、検索結果でも数十万件から数十億の検索結果が表示されます。では検索結果の数十万件、数十億の中で検索結果の上位に表示されてユーザーがクリックし、ホームページやランディングページを閲覧して最終的に顧客へとつながるようにするには、何を最適化して、何を分析すればよいでしょうか。そういったGoogleなどの検索エンジンで総合的なマーケティング活動をおこなうことがSEM(Search Engine Marketing)といいます。
SEMについて
SEMはマーケティング活動
こちらの記事ではどういったものをSEMに含まれるのか紹介します。見出しにも記載しておりますがSEMの「M」はマーケティングですが、そもそもマーケティングとはどういったものでしょうか。Wikipediaにアメリカ・マーケティング協会による定義※がありましたので、引用します。「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。」とあります。つまり、Googleなどの検索エンジンにおいて、ユーザーの方にホームページやランディングページにアクセスしてもらい、商品やサービス情報の伝達するための活動やプロセスとなります。このSEMに取組むことで、ユーザーを顧客へと導く道筋を設けることができると考えられるでしょう。
※出展:AMERICAN MARKETING ASSOCIATION
SEOとの関係性
では、SEMとSEO(Search Engine Marketing)の関係性はいかがでしょうか。どちらも検索エンジンでおこなう内容ですが、実はSEOはSEMの一部となります。ご存じの通りSEOは検索エンジンでの最適化ということですが、ユーザーがGoogleやYahoo!といったブラウザを使って検索したときに最適な結果を出す、つまりGoogle検索の上位に出るためのSEO対策のプロセスがSEMの一部になるということです。SEO対策として、検索結果の順位をあげるための内部対策や外部対策をおこなっていくことはSEMの重要なポイントといえるでしょう。
SEMの手法
SEMには、主にSEO(Search Engine Optimization)とリスティング広告という2つの手法があります。SEOは、自然検索結果で上位表示を目指すための施策であり、内部対策や外部対策を行うことで、検索エンジンにとって最適なコンテンツを提供します。一方、リスティング広告は、検索エンジンの広告枠に表示される広告を活用し、短期間でアクセスを集める方法です。
SEO
SEOには内部対策と外部対策をおこなうと説明しましたが、まずは検索結果の仕組みをGoogleの例で説明します。インターネットの世界には膨大なWebサイトやホームページがありますが、その内容をクローラーと呼ばれるGoogleの検索エンジンプログラム(ロボットと言われる場合もあります)が読み込みます。検索エンジンプログラムが内容を読み込み、収集した内容はGoogleの検索エンジンが保有するデータベースへと格納されます。こちらがインデックスといわれています。インデックスされた情報は、ユーザーが入力するキーワードを通して検索結果を表示するわけですが、この検索結果はキーワードと関連性の高い結果を出す仕組みです。
さてインデックスされて関連性を高くするための内部対策と外部対策ですが、SEO対策といわれるものは細かな点を含むと200超の項目があるといわれていますが、今回は重要ポイントとなる点だけご説明します。
内部対策
- キーワードに関連したコンテンツを充実させる。最低でも3,000文字以上の内容を記載する。
- 閲覧ユーザーが理解しやすいように画像コンテンツも充実させて、alt属性もモレなく設定する。
- 本のようにコンテンツを章立てし、目次、第一章(見出し1,見出し2・・・)第二章(見出し1,見出し2・・・)とコンテンツを整理する。
その他、モバイルフレンドリーであるか、ページの読み込みが早いかなどさまざまな対策項目があります。
外部対策
- 他の高品質サイトやホームページからの被リンク獲得
- ソーシャルメディアでの共有や拡散
- サイテーション(引用・参照)と言われる、NAP(Name/Address/Phone)情報を元にした他サイトからの引用獲得
混同しがちですが、サイテーションはNAP情報などの引用ですが、被リンクは直接サイトへと移動するので、異なるものとなります。
リスティング広告
代表的なリスティング広告としては、検索サイトのGoogleが提供しているGoogle広告(グーグル広告)とLINEヤフー株式会社が提供しているYahoo!広告(ヤフー広告)です。こういったリスティング広告に出稿することもSEMのポイントとなります。ユーザーは特定のキーワードで検索を行いますが、リスティング広告を出稿することで検索結果の広告枠に表示されることでユーザーにクリックしてもらいやすくなります。SEOのようにキーワード検索で、目的が明確になっているユーザーに商品やサービス情報の伝達するための活動やプロセス、一連の制度といえるでしょう。
LPOの重要性
LPO(Landing Page Optimization)とは、ユーザーが情報を得るために広告や検索結果をクリックした際にたどり着く、最初のページを最適化することです。ランディングページについては最初にアクセスしたページといった説明や、広告に紐づけて問い合わせフォームなどのコンバージョンがとれるページとの説明がありますが、インターネット上のマーケティングでは後者が一般的です。SEO・リスティング広告どちらにとっても非常に重要な施策となります。
そのランディングページの最適化ですがコンテンツの順番や内容の変更をしたり、クリックしやすいボタンの配置を探ったり、ファーストビューからストーリーが流れて、最後クロージングといった内容をトライ&エラーやABテストをおこないながら、最適化の手間暇をかけることとなります。手間暇をかけて追及し続けた結果、ユーザーにとって最適なページが判明します。
SEM施策のPDCA
SEMは計画・分析し、取り組みを開始してもそれで終了するものではありません。SEMの取り組みでは、ビジネスオーナーさまの状況やユーザーの方々の反応、Webサイトのアクセス数や広告のクリック率などを随時分析し、どのような改善をするべきか検証する必要があります。SEO対策も行い、リスティング広告も出稿、LPOもおこなった。ですがホームページへの流入数が把握できない、どのページを回遊したのかわからない、コンバージョンがどれぐらい獲得できたなど解析できないことにはGoogleなどの検索エンジンに対して改善することができません。アクセス解析のツールとしてはGoogle社が提供しているGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールが多く利用されています。
またGoogleの検索エンジンはアップロードを繰り返していきます。SEMのためにGoogleの検索エンジンのアルゴリズムを理解しても、そのロジックは変化をしていくため、都度そのアップロードに合わせたSEM実施をしていく必要もあるものです。ビジネスオーナーさまが取り組むSEM施策のPDCA、また検索エンジンのアップロードに合わせたSEM施策の更新をしていきましょう。
SEMのメリット・デメリット
ここからはSEO対策とリスティング広告をそれぞれ活用したSEMのメリットとデメリットについてとなります。
SEMのメリット
SEMを実施するメリットはWebサイトやランディングページのアクセス数増加が一番のメリットとなります。今やほとんどの方がスマートフォンで情報を検索する時代ですが、検索した際に検索結果に上位表示されていれば、またはリスティング広告で目立つ箇所にビジネスオーナーさまのWebサイトへの入り口があれば、多くの方がビジネスオーナーさまの事業やサービス、商品に触れる機会が増え、売上拡大や事業拡大のチャンスが増えるのです。
また仮にWebサイトをクリックされない場合でも、SEMの実施により検索結果の目立つ箇所に情報掲載されることで信頼性や認知度向上に寄与しブランディングにもつながるというメリットがあるのです。
SEMのデメリット
SEMのデメリットとしては稼働と費用の発生となります。SEMのSEO対策は無料で実施することは可能ですが、自社内で実施するということは知識習得のための稼働から、Webサイトのコンテンツ対策、内部対策、外部対策をするための稼働が発生することとなります。これらを外注することは可能ですが、当然その際には外注費が発生することとなります。さらにSEMのリスティング広告についても広告費が発生するため、予算確保をすることが必要となります。
またSEO対策は長期的、リスティング広告は短期的となるため、ビジネスオーナーさまの状況を正確に判断し、SEMを実施していくための計画が練る必要があります。
しかしながら、SEMにこのようなデメリットがあるとはいえ、情報検索方法が検索エンジンとなっている今日ではSEMに取り組む必要があるといえます。
まとめ
以上、こちらの記事ではSEMについて紹介しました。SEMは何かしら1点の最適化ではなく、Googleなどの検索エンジンで、総合的なマーケティング活動であることを紹介しました。そのため、言語化されていないマーケティングの視点が発見されたり、あらたなツールが開発されることでSEMの範囲は広がっていく可能性があります。そのため、SEMについての人材を社内に揃えている場合は、自社のマーケティングに活用できるかとおもいますが、社内に在籍していない場合は専門家に相談するのがよいでしょう。
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