採用マーケティングとは

ひと昔前は求人を出すことで複数人から求職応募があり採用者を選ぶ採用が一般的でしたが、日本では少子高齢化が1970年代から続き、1998年に労働力人口のピークを迎えてから今なお減少が続いております。このまま減少が続けば、労働力人口が2060年には3,795万人へと加速度的に減少する試算となっております。
既に売り手市場となっている採用分野において、従来の採用方法では企業存続の致命的なダメージとなります。
こちらの記事では採用にマーケティングの概念を加えた、採用マーケティングを紹介します。

※参考:https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/sentaku/s2_3.html

採用マーケティングについて

求職・採用が変わった

求職・採用については主に2000年代に入ってから変わってきました。背景として2000年代初頭~中盤にインターネットの普及によりグローバル化が進みます。当時、企業は競争力の強化のためアウトソーシングや、労働コストの削減を実施したことで労働市場が大きく変化していきます。更に、リーマンショックが起こったことで雇用が不安定となり、求職者の価値観は雇用の安定性よりも「やりがい」や「自己実現」を求めるように多様化しました。求職者の価値観が変わると同時に、優秀な人材を採用したい企業も採用方法を変える必要が出てきました。

採用のマーケティングとは

優秀な人材は「やりがい」や「自己実現」を求めるようになりましたが、優秀な人材に自社を知ってもらうコミュニケーションのチャンスは主に企業説明会や求人といったものでした。この「応募待ち」といった受け身の姿勢では自社への応募の前に人材が他社に流れる可能性があります。そのため、採用の方法にマーケティングの考え方を導入する考えが取り入れられました。具体的には求職者に自社のファンになってもらう仕組みを作り、優秀な人材を引き付け、獲得することを目指します。

採用マーケティングの重要性

優秀な人材を確保できる

採用マーケティングを活用することで、自社のビジョンや目標に共感し、長期的にキャリアを築くことを望む人材を引き寄せることができます。これにより、長期的視点で組織全体の成長と成功が期待できます。

採用コストの削減ができる

戦略的な採用マーケティングをおこなうことで、無駄な広告費や人材紹介費を削減し、効率的な採用活動が可能になります。

離職率の低下につながる

入社する前から企業文化や業務の内容を正確に伝えることで、入社後のギャップを減らし、早期離職を防止することができます。これにより定着率が向上し、長期的な人材育成が可能になります。

採用マーケティングの具体的な内容について

採用マーケティングの方法

採用マーケティングでは求職者が自社のファンとなり、後の人材となるよう仕掛けづくりが必要です。以下に採用マーケティング設計の具体的なステップを紹介します。

自社の分析とターゲットの設定

まず、自社の強みや魅力を明確にして、求める理想の人材像を明確にする必要があります。その人材像のターゲットに合わせた採用戦略を立てます。この時にペルソナを用意することで具体的な戦略イメージが可能です。

ブランド構築と認知度向上

分析した自社の魅力や価値観を明確にし、求職者に共感をしてもらえるようSNS、ブログ、ウェブサイト、イベントなどを活用して発信します。特に、ターゲット層がよく利用するプラットフォームでの発信が効果的です。
例えば、大学生が就職活動で情報収集しているのは主にInstagramやXといったSNSですので、こちらのプラットフォームを利用して発信することが効果的と考えられます。

コンテンツマーケティング

求職者が興味を持つようなコンテンツの作成や検索エンジンで表示されやすくなるSEO対策もおこないます。例えば、直近の新入社員や中堅社員のインタビュー記事や、企業の一日を紹介する動画で入社後のイメージ共有といったコンテンツが考えられます。

エンゲージメントとコミュニケーション

求職者とコンタクトをとり距離感を縮めることで、エンゲージメントを高める活動をします。例えば、オンライン座談会のような双方向コミュニケーションの場や、SNSを利用した質問会などが効果的です。参加者や質問者がのちの求職者となるため、迅速かつ丁寧な対応を心掛ける必要があります。コミュニケーションによる不安を取り除くことで、求職者は自社のファンとなる可能性が高まります。

データ分析と改善

採用マーケティングでは採用活動の各ステップでデータを収集し、どの施策が求職者に効果的だったのか、どの施策が良くなかったのかを分析し改善する必要があります。
例えば、ターゲットを広くしすぎたために求職者の質が低下したというターゲティングの問題や、選考のプロセスが複雑で長期間だったため、他社に人材が流れてしまったというようなフローの見直しです。このような分析と改善を継続することで、適切な採用活動を維持することができます。

採用マーケティングの効果

採用マーケティングの効果について、Aberdeen Strategy & Research というアメリカのマーケティング企業が2017年に調査したところ、採用マーケティングを実施することで採用プロセス全体のコストが20%以上削減されたことが確認できました。採用プロセスのコストが削減されたことで既存の人事担当の稼働が削減され、魅力的な候補者を引き付けるための余裕が生まれる効果もあります。

※参考:https://www.aberdeen.com/hcm-essentials/financial-value-recruitment-marketing

採用マーケティングでの留意点

適切なチャネルを選択する

採用マーケティングでは、求職者が情報収集するために利用する適切なチャネルを選ぶことが重要です。チャネル選択をあやまるとターゲット層にリーチできず、採用マーケティングの効果は薄れてしまいます。公式ホームページの求人フォームはもちろん、SNSや就職活動セミナーなど求職者とコンタクトをとるにあたって適切なチャネルを選択する必要があります。
また、学校の職業体験や進路指導といった教育機関のチャネルから自社のファンを育成するという方法も効果が期待できます。

仕組みづくりはシステムだけではない

採用マーケティングは求職者に自社のファンになってもらう仕組みづくりでありますが、そもそも求職者とのコミュニケーションが不足していると選考中や内定後に求職者が不安を感じ、辞退されるリスクが高まります。
そのため、定期的なフォローアップや透明性のある情報提供が重要です。
また、無事採用まで進んだとしても入社後のフォローが不十分で新入社員が早期に離職するケースもあります。この原因は入社後の研修やサポート体制が整っておらず、新入社員が孤立感を感じていることが考えられます。仕組みづくりはシステムづくりだけでなく、人が入ることで完成します。

まとめ

以上、こちらの記事では採用マーケティングについて紹介しました。採用マーケティングを活用することは優秀な人材を確保できる、採用コストの削減ができるや離職率の低下につながるといったメリットがあります。自社のファンが増えて「選ぶのではなく選ばれるべき企業」となるにあたっては採用方法にマーケティングのノウハウを導入する必要があります。

また、マーケティングをおこなうにも、記事内で紹介したようにSNSやブログを活用したデジタルマーケティングが主流です。そのためデジタルを使った採用マーケティングをおこなう際は、Webマーケティングに優れた企業に相談するとよいでしょう。NTTタウンページのMyタウンページではWebマーケティングの資格を持った担当がビジネスオーナーさまをサポートしております。


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