ペルソナマーケティングとは

「ペルソナ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。マーケティングの世界では比較的よく耳にする言葉で、「ペルソナ設定」「ペルソナマーケティング」といったキーワードで使われることもしばしばあります。ペルソナを作成し、マーケティングにうまく活用することで、販売成果を向上させた事例も多くあります。本コラムでは、ペルソナマーケティングについて解説します。

ペルソナマーケティングとは

ペルソナとは

まずはペルソナとは具体的にどういうものかを解説します。
ペルソナとは、「架空の一個人」のことで、商品やサービスを買ってくれそうな顧客のイメージのことです。あなたのターゲット顧客の代表のような存在です。単なる年齢や性別だけでなく、その人物の生活スタイル、価値観、悩み、目標など、まるで実在の人物のように詳細に設定します。

例えば、新商品のお菓子を販売するとします。このお菓子を誰に買ってほしいか、具体的な人を想像してみましょう。

・二人の小学生の子どもをもつ、30代の専業主婦
・20代の働く女性で、仕事の合間に甘いものを食べて息抜きをする習慣がある人

このように、詳細に人物像を想像し設定するのがペルソナです。

ペルソナマーケティングとは

作成したペルソナに基づいてマーケティング戦略を立てるプロセスのことをペルソナマーケティングと言います。具体的には、以下のようなステップでおこないます。

リサーチ

まずはターゲット市場のデータを収集し、顧客の行動、ニーズ、課題について理解を深めます。リサーチ方法としては、アンケート調査、インタビュー、各種データ分析などがあります。

ペルソナ作成

1.リサーチ において収集したデータを基に、詳細なペルソナを作成します。ペルソナには、名前、年齢、職業、趣味、価値観、購買行動などの情報を網羅します。

戦略の立案

2.ペルソナ作成 において作成したペルソナに基づいて、ターゲット顧客に最も効果的なマーケティングメッセージやチャネルを選定します。例えば、ペルソナが若い世代の女性であれば、SNSの動画を活用したプロモーションが効果的かもしれません。

コンテンツ作成

設定したペルソナに響くコンテンツを作成します。具体的にはSNSに投稿する動画やブログ記事、LP(ランディングページ)などです。ペルソナの興味やニーズに合わせた媒体を選定し、そこで用いるコンテンツを作成します。

実行と分析

立てた戦略を実行し、その効果を分析します。ペルソナに基づくマーケティング活動がどれだけ成功しているかを評価し、必要に応じて戦略を調整します。

このようなステップでペルソナマーケティングをおこなうことで顧客理解を深め、より効果的なマーケティング活動をおこなうことができます。

ターゲットとペルソナの違い

ペルソナと近しい言葉にターゲットがあります。どちらもマーケティングにおいて重要な概念ですが、意味や使い方が異なります。

ターゲット

ターゲットとは、自社の商品やサービスを提供したい顧客層のことを言います。これは年齢、性別、地域、職業などの属性によって分類された集団です。例えば、「北海道出身の会社員」「40代の男性」といったように、そこまで詳細化せず比較的広めに設定します。

ペルソナ

ペルソナはターゲットの中からさらに具体的な一人の人物像を描いたものです。ペルソナには名前、年齢、職業、趣味、価値観、ライフスタイルなど、詳細なプロフィールが含まれます。例えば、「32歳、神奈川県在住、アパレル企業で働く多運花子さん」というように、あたかも実在するかのような詳細な人物像を設定します。

このように、ターゲットは顧客層の大まかな方向性を示し、ペルソナはその方向性をより具体的にするための概念です。ペルソナを設定することで、より効果的なマーケティング戦略を立てることができるようになります。

ペルソナ作成時の注意点

ここでは、ペルソナ作成時の注意点について解説します。

内面に至るまで詳細に設定する

属性面だけではなく、性格や価値観、悩みなど、内面的な要素も具体的に設定することが重要です。これにより、ペルソナが「どんな時にどのような行動を取るか」をも予測しやすくなります。

リアリティのある人物像を描く

ペルソナは実在していてもおかしくない人物像を描くことがとても重要です。架空の人物であったとしても、現実に存在するような詳細なプロフィールを設定することで、マーケティング戦略をより具体化することができます。

客観的なデータを使用する

ペルソナ作成に用いるデータは、アンケートやインタビューなどの客観的なデータであることが重要です。主観的な意見だけではなく、実際のデータに基づいたペルソナを設定しましょう。

自社に都合の良い人物像を避ける

自社の商品やサービスにとって都合の良い人物像を設定するのは避けましょう。現実的でないペルソナは、実際のマーケティング活動において効果が薄れ、あまり意味のないものになってしまいます。

あまり多く作り過ぎない

ペルソナを多く作り過ぎると、マーケティング戦略が分散し効果が薄れてしまう可能性があります。最も重要視したいペルソナを絞って焦点を当ててマーケティング戦略を立てることが望ましいです。

以上の要素などに注意しながら、慎重にペルソナを作成しましょう。

まとめ

本コラムでは、ペルソナマーケティングについての概念やペルソナ作成時の注意点などについて解説しました。マーケティング活動においてペルソナマーケティングを取り入れている企業は多く、とりわけBtoCビジネスにおいては欠かすことのできない要素となっています。今後はビッグデータ解析やAI技術を生かし、より詳細なペルソナを作成することも可能になっていくでしょう。

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