ナラティブマーケティングはユーザーの心をつかむための効果的な方法です。ナラティブは「物語」や「語り」という意味で、語り手が主人公となる物語を指します。ビジネスでは「ナラティブマーケティング」や「ナラティブアプローチ」として使われ、さまざまな問題解決に役立てられています。
本記事では、ナラティブマーケティングについて簡単にご紹介します。ちなみに「ナレーター」や「ナレーション」という言葉も、ナラティブという言葉から派生しているそうです。
ナラティブとは?
ナラティブの意味
ナラティブは、1960年代のフランスで「物語の役割」に対する関心が高まる中で、「ストーリー」とは異なる文芸理論の用語として定着しました。現代では、文学だけでなく医療や教育の分野でも使われています。医療分野では、「ナラティブアプローチ」という方法が医師と患者の対話に用いられています。ナラティブアプローチでは、患者を物語の主人公とし、病気とどう向き合うかを話し合います。教育分野では、教師ではなく生徒を物語の主人公とし、教師は生徒をサポートして主体的に考える力を伸ばすように変化しています。重要なポイントは、物語の主人公が医師から患者へ、教師から生徒へと変わること、物語の主人公は誰か?という点です。
ナラティブとストーリーの違い
ナラティブマーケティングは「物語」を使う点で、ストーリーマーケティングとよく比較されます。
ストーリーマーケティングは、企業が創業者や商品やサービスに関するストーリーをユーザーに伝え、ブランド価値を高めて売上を伸ばすことを目的としています。この方法では、企業からユーザーへの一方通行のコミュニケーションになりがちです。
一方、ナラティブマーケティングは、企業や個人それぞれの「語り」を重視します。企業だけでなく、ユーザー自身が主人公となる物語を語り、ユーザーの語る物語にアプローチします。「ストーリー」は物語の内容や筋書きで、ユーザーは観客ですが、「ナラティブ」ではユーザーが主人公となり、共に物語を作り上げる演者です。また、ストーリーは起承転結のある完結した物語ですが、ナラティブは現在進行形の物語です。
ナラティブマーケティングが注目される理由
SNSとナラティブマーケティング
スマートフォンの普及とSNSの広がりにより、コミュニケーションの方法が大きく変わりました。
そのため、企業が一方的に情報を発信するだけでは、顧客の関心を引くのが難しくなっています。一方で、企業が消費者と直接コミュニケーションをとるのは簡単になり、マーケティングにおける企業と消費者の関係を見直す必要があります。
このような状況で、「ナラティブ」が注目されています。ナラティブでは、顧客が主人公となり、企業のビジョンに共感することで購買行動が促されます。SNSなどのさまざまな方法で情報を得ることができるため、ユーザーは多様な手段で商品やサービスを選びます。例えば、ユーザーが企業の社会的ビジョンに共感すると、自分の購買行動が社会に影響を与えると感じるでしょう。
社会的課題とナラティブマーケティング
2015年の国連サミットで採択されたSDGsやESGなどの社会課題が注目される中、企業だけでなく個人も「社会貢献」や「社会的価値」を意識するようになってきました。「社会で自分ができることは何か」を考える中で、自分を物語の主人公とするナラティブの重要性が高まっています。企業と個人が協力して持続可能な社会をめざす環境が整いつつあります。そのため、企業がSDGsやESGへの取り組みをPRの一環として行う例が増えてきました。企業のファンを増やし、多様な消費者ニーズに応えるためには、ユーザー一人ひとりを意識したマーケティングがますます重要です。
ナラティブマーケティングのメリット
ナラティブマーケティングのメリット①
ナラティブマーケティングが期待どおりの効果を発揮し、ユーザーが商品やサービスに深く関わることで、よりいっそう信頼や愛着を感じやすくなります。ユーザーは、自分が主人公となるストーリーの中に商品やサービスを組み込むことで、どのような生活が待っているのか具体的にイメージすることができます。単に商品やサービスの魅力をアピールするのではなく、ユーザーがその商品やサービスを生活の中で使うシーンを具体的に想像できるようにすることで、ナラティブマーケティングの効果を得やすくなります。
ナラティブマーケティングのメリット②
ナラティブマーケティングでは、商品やサービスがユーザーにどんな価値を提供するのかを調査し、深く考えることが重要です。この過程で、商品の付加価値を把握し、それをユーザーにわかりやすく伝える工夫が求められます。ナラティブマーケティングを突き詰めることは、結果として、企業の担当者も商品やサービスについての理解が深めることにもつながります。
ナラティブマーケティングは、ユーザーを中心にした物語を作ることで、ユーザーとの関係を深めるマーケティング手法です。これは、SNSの活用や多様化する消費者ニーズに対応するのに非常に効果的です。ユーザーは自分が物語の主人公だと感じることで、商品やサービスに対する信頼感や愛着が高まりやすくなります。ナラティブマーケティングを取り入れることで、ブランドの認知度を高め、ユーザーとのつながりを強化することができます。
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