マーケティングの基礎知識

昨今では、ビジネスの場ではないところでも当たり前のようにマーケティングという言葉を使うこともあるのではないでしょうか。そのくらいマーケティングという言葉は日常に溶け込み、馴染みあるものになっています。
今や商品を買ってもらうため、また、ブランド名や会社名を認知してもらうためには、マーケティングの営みが必要不可欠です。本コラムでは、そんなマーケティングの基礎について簡単におさらいをしてみます。

マーケティングの語源

まずはマーケティングの語源についてです。書くまでもないことですが、英語で表記すると「market」と「ing」を合わせて「marketing」です。マーケティングは、市場で取引をするという意味の「マーケット」から派生した言葉ですが、実は日本語でずばりと直訳できる言葉はありません。そのため、「マーケティング=広告」や「マーケティング=市場調査」といったように、一部の活動に限定して捉えられがちですが、実際のマーケティングはより広い活動を含む言葉です。

マーケティングの定義

では、ここで改めてマーケティングの定義をおさらいしましょう。公益社団法人日本マーケティング協会は、2024年1月にマーケティングの定義を刷新しました。実に34年ぶりの刷新ということです。ここで、新旧の定義を比較してみます。

1990年に制定されたマーケティングの定義

マーケティングとは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。

1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。
2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。
3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。

新たなマーケティングの定義(2024年制定)

(マーケティングとは)顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセスである。

注 1)主体は企業のみならず、個人や非営利組織等がなり得る。
注 2)関係性の醸成には、新たな価値創造のプロセスも含まれている。
注 3) 構想にはイニシアティブがイメージされており、戦略・仕組み・活動を含んでいる。

なお、刷新した背景については、次のように述べられています。
 
「近年、社会全体がデジタル化へ急速に進展し、AI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いたDX(デジタルトランスフォーメーション)によるマーケティング施策が広がっています。そこではデジタル技術の実装を通して、顧客に関する膨大なデータが蓄積され、顧客の分析を目的としたテクノロジーの活用も高度化しています。他方、シェアリングやクラウドファンディングなどデジタル技術を活かした新しいビジネススキームの台頭により、企業と顧客は共に価値を創造する関係性へと変化しマーケティングにもその視座を考慮することが必要とされています。また企業は2030年SDGsの期限が迫るなか地球環境の配慮を伴う取り組みが必須となっており、長期的な視点で社会の持続可能性に貢献する組織かどうかをステークホルダーに評価される時代となりました。
こうした今日的な諸課題を伴うビジネス上の環境変化に対して、マーケティングの担う役割も変化を遂げており、日本マーケティング協会は1990年に制定され国内で定着しているマーケティングの定義を刷新するタイミングを検討し続けて参りました。昨年、当協会では恩藏直人教授(早稲田大学)を新理事長にお迎えしたことを機に新しいマーケティングの定義を制定するための委員会(後掲)を発足。昨年7月から委員会で複数回の議論を重ね、この度34年振りに新時代に合わせたマーケティングの定義が制定されました。」

※参考:34年振りにマーケティングの定義を刷新(公益社団法人日本マーケティング協会)

時代の変化に伴い、消費者のニーズやシーズが変化するのは当然のことなので、そもそもの定義が変更になることも、もはや自然な流れと言えるでしょう。企業は、新たな定義を念頭に、今後どういったマーケティング活動を行っていくかを問われています。

マーケティングの基本原則

マーケティングの基本原則には次のようなものがあります。
・4P(Product、Price、Place、Promotion)
・4C(Customer Value、Cost、Convenience、Communication)
・Plan→Do→See

マーケティングの原理原則として、Plan(計画)→Do(実行)→See(振り返り)という手法があります。これは、目標や課題に対する具体的な計画を実際に試して、その結果を反省して、何が良かったのか、何が悪かったのかを考察する手法です。これを積み重ねることで、経験則を導き出し、マーケティングの体系を構築していきます。

マーケティングの4P、4Cについては以下のページで詳細に説明しています。あわせてご覧ください。
4P・4Cを活用したマーケティング戦略

マーケティングの基本は、
・誰に(セグメンテーション・ターゲティング)
・何を(ベネフィット・差別化)
・どのように(4P)届けるか

という3点に集約されます。
つまり、マーケティングの目的は、顧客について十分に理解し、顧客に合った製品やサービスが自然に売れるようにすることです。

マーケティングの重要性

言わずもがな、ではありますが、改めてマーケティングの重要性についてもおさらいします。
端的に言うとマーケティングとは、商品やサービス、ブランドなどを世に広く知らしめ、多くの人に知ってもらうための活動です。では、マーケティングをしないと、いったいどのようなことが起こるでしょうか。

  • 商品が売れない:どんなに良い商品であっても、誰にも知られていなければ当然売れることはありません。
  • 競合に負ける:競合他社が積極的にマーケティングを行っていれば、認知度等で劣ってしまい、自社の商品が選ばれにくくなってしまいます。
  • 企業が成長できない:商品が売れないと、企業は利益を得ることができず、当然のことながら成長も難しくなります。最悪の場合、事業から撤退、といったこともあり得るでしょう。

こういったことを避けるために、マーケティング活動は必須なのです。

どのような活動がマーケティングなのか

マーケティングの活動は多岐に渡りますが、一般的な活動としては以下のようなものがあげられます。

市場調査

顧客のニーズや嗜好を深く掘り下げ、競合他社の動向を分析し、市場の規模や成長性を把握することで、自社製品の立ち位置を明確にします。

商品開発

顧客のニーズに合った商品やサービスを開発します。さらに機能やデザインを改善し、新たな商品も検討します。

価格設定

開発した商品やサービスに最適な価格を設定し、競合他社の価格と比較しながら自社の価格競争力を高めます。

プロモーション

広告やPR、SNSマーケティングなどを活用したプロモーション活動を通じて、より多くの人々に商品を知ってもらうための取り組みを行います。

販売チャネル構築

オンラインストアや実店舗、卸売など、さまざまな販売経路を検討します。

顧客関係管理

顧客との関係を構築し、顧客データを収集・管理します。それらのデータを用いて一人ひとりの顧客に合わせたコミュニケーションを心がけ、顧客満足度向上をめざします。

ブランド構築

上記の活動を通じて自社のブランドイメージを確立し、ブランド認知度を高め、顧客が自社製品を継続して購入してくれるようなブランドロイヤリティを構築することをめざします。

まずは基礎的な活動をくまなく行い、PDCAを回すことから始めると良いでしょう。


時代の変遷と共に変化し続けるマーケティングに関する知識は膨大ですが、まずは基礎的な事項と自社に必要な事柄に絞って知識を習得し、実行されると良いかもしれません。もちろん、時代のデジタル化に乗り遅れないよう、デジタルマーケティングに関する知識が必要不可欠であることは言うまでもありません。

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