最終更新:2025年2月
「動的リマーケティング」という言葉を、聞いたことはあるでしょうか。聞いたことはあるけど、実際にどういう仕組みなのか、ピンと来ない方も多いかもしれません。では、インターネットを利用して商品を見ていると、後でその商品が他のサイトでも広告として表示されたという経験はないでしょうか。それがまさに「動的リマーケティング」の仕組みなのです。
つまり、あなたが過去に興味を示した商品やサービスが、個別にカスタマイズされた広告として再登場するわけです。これによって、興味を持っていた商品をもう一度見直したり、買い忘れたものを思い出すことができます。
今回は、この便利で効果的な広告手法がどのように働いているのか、そしてどんな場面で役立つのかを詳しく解説していきます。広告があなたにぴったり合ったタイミングで届く、そんな「動的リマーケティング」の魅力を、一緒に学んでいきましょう!
動的リマーケティングとは
動的リマーケティングとは
動的リマーケティングとは、オンライン広告の手法の一つで、過去に自社のウェブサイトやアプリを訪れたユーザーに対して、ウェブサイト上で閲覧した商品情報をもとに、閲覧商品やそれに関連する商品を広告として後追い配信する手法です。GoogleやYahoo、Facebook、LINEなどの媒体で配信でき、訪問したユーザーに続けて広告露出をおこなうことで、次回の訪問や購買を促す効果があります。ユーザーの閲覧行動をもとに、類似商品の広告をユーザーごとに出し分けることができるのも動的リマーケティングの特徴です。例えば、ユーザーAとBがあるECサイトに訪れ、Aがスマートフォンケースを、Bが財布を閲覧した場合、Aにはスマートフォンケースの広告が、Bには財布の広告が表示されるというように、ユーザーが興味を持っているものをピンポイントで訴求することができるのです。
動的リマーケティングと通常のリマーケティングとの違い
そもそもリマーケティングとは、一度ウェブサイトを訪れたユーザーに対して、広告を配信するというものです。
ユーザーはECサイトなどを一度訪れても、商品を購入せずに離脱することも多くあります。通常のリマーケティングは、そんな「興味があって一度訪問したが買わなかった」というユーザーに、自社のウェブサイトの広告を配信することで、もう一度訪問してもらえるように促すことができる広告です。そして、この通常のリマーケティングのさらに進んだ形が動的リマーケティングです。通常のリマーケティングとは違い、ユーザーの閲覧履歴や、ウェブサイト内の行動情報をもとに、よりユーザーの購買タイミングとマッチした商品広告を配信することができます。
動的リマーケティングと通常のリマーケティングの主な違いは、広告の内容がどのように表示されるかと、ターゲティングの精度にあります。
それではここで、それぞれの特徴を比較してみましょう。
広告の内容
- 通常のリマーケティング
- ユーザーが過去にウェブサイトを訪れたという事実に基づいて、一般的な広告を表示します。この広告は基本的に事前に作成された定型のもの(例えば、サービスや商品のカテゴリー、ブランドの広告など)で、ユーザーが興味を示した特定の商品やサービスを直接的に反映することはありません。
- 動的リマーケティング
- ユーザーが過去に見た具体的な商品やサービスに基づいて、パーソナライズされた広告が表示されます。例えば、オンラインショップで商品を見たユーザーには、その商品そのものを広告として表示したり、閲覧した商品の類似商品を表示したりします。広告の内容が動的に変化するため、ユーザー一人ひとりに合わせた細かいターゲティングが可能となります。
広告作成の方法
- 通常のリマーケティング
- 広告は一般的に一度作成した静的なバナー広告やテキスト広告を使用し、特定のターゲットに向けて配信します。広告の内容はあらかじめ設定したものに固定され、手動で変更しない限り広告内容は変わりません。
- 動的リマーケティング
- ユーザーが閲覧した商品やカテゴリーに基づいて広告内容が自動的に変化します。商品データフィードを利用して、ユーザーごとに異なる広告が表示されるため、手間をかけずに多くのパーソナライズされた広告を生成できます。
ターゲティングの精度
- 通常のリマーケティング
- 特定のユーザーがウェブサイトに訪れたことに基づいて広告を表示しますが、どのページを見たかやどの商品を見たかに基づくターゲティングは行いません。ウェブサイトを訪れたユーザー全体に対して同じ内容の広告を表示するため、ターゲティング精度は比較的低くなります。
- 動的リマーケティング
- ユーザーが訪れたページや見た商品、またはその行動に基づいて広告が個別化されます。このように、非常に高精度でターゲティングされた広告が表示されるため、ユーザーにとって関連性の高い内容が届けられ、購入などのコンバージョンを促しやすくなります。
動的リマーケティングのメリット
では次に、動的リマーケティングのメリットについて解説します。
広告効果の向上
動的リマーケティングは、不特定多数に対して広くアプローチするのではなく、顕在層に対して関連する商品やサービスを訴求するため、広告の費用対効果を高めることができます。
動的リマーケティングでは、閲覧・行動履歴のあるユーザーに対して特定の商品を広告訴求するだけでなく、関連する商品やサービスを訴求することも可能です。
また、一度商品を購入したことのあるユーザーに対して、関連する商品やサービスを訴求できれば、アップセルやクロスセルにもつながりやすくなり、売上増加や利益拡大といった効果も期待できます。
低予算から始められる
動的リマーケティングは、運用型広告の一部であるため予算管理などは自由にカスタマイズすることができます。配信の一時停止も行えるため、費用対効果を測りながら、低予算での広告運用も可能です。
認知度拡大など目的が異なる場合にはマッチしないケースもありますが、効率よくコンバージョン獲得をめざす上では効果的に活用することができます。
広告運用の効率化
動的リマーケティングは閲覧・行動履歴をもとに広告が自動で表示される仕組みのため、広告運用にかかる手間を効率化することもできます。
動的リマーケティングでは、あらかじめ入稿した広告クリエイティブをもとに、媒体側で表示される広告サイズも自動で最適化されます。このため、ユーザーが利用しているウェブサイトやサービスに適した広告配信によって、効率良く広告枠全体を活用できます。指定のサイズが無かったとしても、画像やテキストを自動で組み合わせ、レイアウト調整してくれるため、運用の効率化を図ることができるのです。
動的リマーケティングの活用ポイント
動的リマーケティングを効果的に活用するためにはいくつかのポイントがあります。
ターゲットユーザーのセグメント化
動的リマーケティングは、ユーザーの過去の行動に基づいて広告を表示するため、ターゲットユーザーを細かくセグメント化することが重要です。
例えば、自社のオンラインショップを訪問したユーザーについて、以下のようにセグメントして、それぞれに合わせた広告を配信します。
- 購入未完了ユーザー
- カートに商品を入れたが、購入しなかったユーザーに対して再アプローチする
- 閲覧した商品に関心のあるユーザー
- 特定の商品やカテゴリーを閲覧したユーザーに対して、その商品や類似商品を表示する。
- リピーター向けの特典提供
- 過去に購入したユーザーに対して、新商品やセール情報を表示する。
このように、セグメントをうまく活用し、より関連性の高い広告を表示することで、コンバージョンを促進します。
パーソナライズされた広告の活用
動的リマーケティングの最大の特徴は、広告のパーソナライズです。商品やサービスの内容をユーザーの行動に基づいて動的に変化させることができるため、ユーザーにとって魅力的で関連性の高い広告を提供することができます。
具体的な活用例をいくつかご紹介します。
- 閲覧した商品に基づくリマーケティング
- ユーザーがオンラインショップで特定の商品を閲覧した場合、その商品を広告として表示することができます。
例えば、ユーザーがあるジャケットを閲覧したが購入しなかった場合、そのジャケットの広告を他のウェブサイトやSNSで表示します。もし、その商品が在庫切れだった場合は、その商品と似た他のジャケットを広告として表示することもできます。 - カート放棄者へのリマーケティング
- カートに商品を追加したものの購入に至らなかったユーザーには、カートに入れた商品をそのまま広告として表示することが効果的です。
例えば、ユーザーがオンラインショップで複数の商品をカートに入れたのに、購入しなかった場合、カート内の商品を広告として表示し、再度購入を促すことができます。カートに追加した商品に割引クーポンを提供する広告を表示することで、購入意欲を高めることも可能です。 - 過去の購入履歴に基づく提案
- 購入履歴のあるユーザーには、過去に購入した商品に関連するアイテムや新商品を提案する広告を表示します。例えば、ユーザーがスポーツシューズを購入した後、そのブランドの新しいモデルやシューズのアクセサリー(靴紐やインソールなど)を広告として表示したり、関連する商品のセット購入を促す広告を表示することもできます。
デバイスごとの実績を確認する
パソコンとスマートフォンなど、異なるデバイスでの広告効果を分析し、それぞれに最適な広告を配信します。デバイスごとのユーザー行動を理解することで、より効果的な広告戦略を立てることができます。
動的リマーケティングは、ユーザーの過去の行動データを活用して、パーソナライズされた広告を配信する手法です。これにより、ユーザーが興味を持った商品やサービスに再度アクセスする機会を提供し、購買意欲を引き出すことができます。
通常のリマーケティングと比較して、動的リマーケティングは広告の内容が個別に調整されるため、ユーザーにとって関連性の高い広告を提供することができ、より高精度なターゲティングが可能となります。また、動的リマーケティングは運用の効率化や低予算での効果的な広告運用ができる点も大きな魅力です。このコラムをきっかけに、オンライン広告の中でも強力な手法である動的リマーケティングをうまく活用して広告効果を最大化しましょう。
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