コンバージョンパスで売上アップ

最終更新:2025年2月

毎日たくさんの集客活動をしているのに、なかなか売上につながらない…。そんなお悩みをお持ちではないでしょうか?
ウェブサイトに訪れた人が、どのように商品やサービスを買っているのか、その道のりを詳しく見ていくと、売上アップのヒントが見つかります。この道のりを「コンバージョンパス」と呼びます。
コンバージョンパスを分析すれば、どこで顧客が離脱しているのか、どの施策が効果的なのかが分かり、より効果的なマーケティングができるようになります。
この記事では、ビジネスオーナーさまに向けて、コンバージョンパスを効果的に活用する方法を分かりやすくご紹介します。ぜひ最後まで読んで、あなたのビジネスの発展に役立ててください。

コンバージョンパスとは

皆さんは、自分のウェブサイトを訪れた人が、どんな風に商品やサービスに興味を持ち、最終的に購入を決めるのか、想像できますか?
コンバージョンパスは、まさにその道のりを可視化してくれる地図のようなものです。このコンバージョンパスを詳しく調べることで、ビジネスをもっと成功に近づけることができるのです。

コンバージョンパスの定義

コンバージョンパスとは、簡単に言うと、お客さまがウェブサイトに訪れてから、最終的に何かしらの行動(購入、問い合わせなど)を起こすまでの道のりを表す言葉です。
例えば、ECサイトで商品を購入するまでの道のりを考えてみましょう。
<ECサイトでのコンバージョンパスの流れ>
トップページ → 商品詳細ページ → カート → 購入完了ページ
このように、お客さまは、まずトップページを見て、興味を持った商品をクリックし、詳細ページで情報を詳しく確認します。その後、カートに入れて、最終的に購入手続きを進めるという一連の流れをたどります。この一連の流れが、まさにコンバージョンパスなのです。

コンバージョンパスの重要性

コンバージョンパス分析は、お客さまがサイト内でどのような行動を取っているのかを詳しく追跡し、ビジネスの改善に役立つツールです。例えば、どの広告を見て商品を購入したかなどを分析することで、より効果的なマーケティングができるようになります。

コンバージョンパスを学ぶ上での障壁

コンバージョンパスについて学ぶ際に、以下のような壁にぶつかることがあります。

専門用語チャネル、タッチポイントなど、聞き慣れない言葉がたくさん出てきて、戸惑うことがあります。
データの解釈集めたデータをどのように解釈して、具体的な施策につなげればいいのか、よく分からないとこともあります。

でもご安心ください。これらのコンバージョンパスでつまずくポイントを一つずつクリアしていくためのヒントを分かりやすく解説します。

コンバージョンパスの構造と種類

本章では、コンバージョンパスを構成する要素や、代表的なパターンについて解説していきます。

コンバージョンパスの構造

コンバージョンパスは、いくつかの要素から構成されています。

タッチポイント顧客が商品やサービスに触れる全ての接点のことです。例えば、広告、検索エンジン、SNS、店舗などが挙げられます。
チャネル顧客が情報を得るために利用する媒体のことです。Web、モバイル、メールなどが代表的なチャネルです。
デバイス顧客が情報にアクセスするために使用するデバイスのことです。パソコン、スマートフォン、タブレットなどが挙げられます。
コンバージョン顧客に行わせたい最終的な行動のことです。購入、問い合わせ、資料請求などが代表的なコンバージョンです。

コンバージョンパスの種類

コンバージョンパスには、大きく分けて以下の3つの種類があります。

直線型最もシンプルなパターンで、お客さまが一定のステップを順に踏んでコンバージョンに至る場合です。例えば、広告を見て商品に興味を持ち、商品詳細ページを見て、カートに入れ、購入するというような流れです。
多段階型複数のステップがあり、お客さまがさまざまな経路でコンバージョンに至る場合です。例えば、一度はサイトを離れて、後日再度訪れて購入するといったような場合が考えられます。
ループ型お客さまが同じステップを何度も繰り返したり、途中で別のステップに戻ったりする場合です。例えば、商品を比較検討するために何度も商品詳細ページを行き来したり、他の商品も検索したりする場合が考えられます。

コンバージョンパス分析のメリット

この章では、コンバージョンパス分析によって得られるメリットについて詳しく解説していきます。

顧客行動の可視化

コンバージョンパス分析は、お客さまが商品を購入するまでの道のりを詳しく追跡し、どこで迷っているかなどを可視化します。これにより、お客さまの行動パターンを理解し、効果的なマーケティングができるようになります。

課題発見と改善

コンバージョンパス分析では、お客さまが購入を諦めるポイントを特定し、その原因を詳しく調べることができます。例えば、商品ページで多くの人が離脱している場合、商品の説明が不十分であったり、価格が高すぎることが考えられます。このように、問題点を具体的に把握して、改善策を講じることでより多くのお客さまに商品を購入してもらうことができます。

コンバージョンパス分析の活用

コンバージョンパス分析は、さまざまな場面で活用することができます。

SEO対策への活用検索エンジンからの流入経路を分析することで、どのキーワードで多くの人がサイトを訪れているか、どのページが検索エンジンから評価されているかを知ることができます。
広告効果測定どの広告が効果的で、どれが無駄かを数値で評価し、効果的な広告に予算を集中させることができます。
パーソナライズ化お客さま一人ひとりの行動履歴に基づき、最適な商品やコンテンツを提案し、満足度を高め、リピート率向上につなげることができます。
顧客体験の向上ウェブサイトのUI/UX(ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンス)を改善し、わかりやすいデザインと操作性でスムーズに商品を購入できるようにします。また、質問には迅速に対応し、顧客満足度を高めます。

<具体的な活用例>

ECサイト新規顧客獲得、リピート購入促進、商品レコメンド
BtoB企業見込み客育成、商談成約率向上
メディアサイト記事改善、会員登録増加、広告収益向上

コンバージョンパスを分析するツール

本章では、コンバージョンパス分析に用いられる代表的なツールであるGoogleアナリティクスを中心に、その特徴や使い方、そして他のツールとの比較について解説します。

Googleアナリティクス

⑴特徴

無料基本的な機能は無料で利用できます。
多機能アクセス解析に必要な機能が網羅され、柔軟な分析が可能です。
豊富なレポート機能標準レポートに加え、カスタムレポートを作成することで、より詳細な分析をおこなうことができます。

⑵使いこなしのポイント
Googleアナリティクス(GA4)でコンバージョンパスを分析するには、以下の設定が済んでいることが前提です。

  • GA4アカウントの作成
  • プロパティ設定
  • トラッキングコード設置
  • キーイベントの設定

コンバージョン経路を調べる方法

⑴経路データ探索

メリット直感的な操作で、特定のページへのコンバージョン経路を簡単に調べることができます。
方法「探索」メニューから「経路データ探索」を選択。
終点をコンバージョンが発生したページに設定。
青色の縦バーをクリックすることで、経路を遡って確認できます。

⑵コンバージョン経路レポート

メリットアトリビューションモデルに基づいた、より詳細なコンバージョン経路分析が可能です。
方法「広告」メニューから「アトリビューション」→「アトリビューションパス」を選択。
キーイベントを絞り込み、特定のコンバージョンへの経路を表示。

⑶その他の機能

カスタムレポート標準レポートでは得られない情報を取得するために、自由にレポートを作成できます。
マルチチャネルファネルレポート複数のチャネルを跨いだコンバージョン経路を分析できます。オフラインとオンラインの連携を分析したい場合に有効です。

その他のツール

Googleアナリティクス以外にも、さまざまなコンバージョンパス分析ツールが存在します

ツール名特徴Googleアナリティクスとの違い
Adobe Analytics大規模サイト向けの高機能な分析ツール。
高度なセグメンテーションや予測分析が可能。
より高度な分析機能とカスタマイズ性。
Mixpanelプロダクト分析に特化しており、
ユーザー行動を詳細に追跡できる。
ユーザー行動の可視化に優れ、プロダクト改善に役立つ。

コンバージョンパス改善のステップ

ウェブサイトを訪れたユーザーが、最終的な目的である購入や資料請求といった行動(コンバージョン)に至るまでの経路であるコンバージョンパス。このコンバージョンパスをスムーズにし、より多くの人に商品やサービスを知ってもらうためには、ウェブサイトを最適化することが大切です。本章ではその具体的なステップをご紹介します。

現状の把握

まず、今のウェブサイトで、どこで多くの人が離れてしまうのか、どのページが人気なのかなどを詳しく分析します。Googleアナリティクスなどのツールを使って、この道のりを可視化し、改善すべき点を明確にします。

改善施策の実施

分析結果に基づいて、以下の施策を実施することで、コンバージョン率向上をめざします。

⑴ナビゲーションの改善
どこにどんな情報があるのか、ユーザーが迷わず目的のページにたどり着けるように、サイトのメニューやリンクを見直します。
以下に、具体例を示します。

グローバルナビゲーションどのページからでもアクセスしやすいように、主要なカテゴリをトップに配置し、階層を浅くします。
ローカルナビゲーションページに関連性の高いリンクを配置し、
ユーザーが目的の情報をスムーズに見つけられるようにします。
サイトマップサイト全体の構造を一覧できるサイトマップを作成し、ユーザーが迷った際に役立つようにします。

⑵ページ表示速度の高速化
画像の圧縮や不要なコードの削除などをおこない、ページの表示速度を向上させます。表示が遅いページは、ユーザーが途中で離れてしまう原因になります。以下に、具体例を示します。

画像圧縮画像の容量を減らし、読み込み時間を短縮します。
キャッシュの活用頻繁にアクセスされるページのデータを一時的に保存し、再読み込み時間を短縮します。
不要なコードの削除HTMLやCSSの不要なコードを削除し、ページの軽量化を図ります。

⑶トップページの最適化
ターゲット層に響く魅力的なコンテンツや、行動を促す言葉(CTA)を配置し、サイトへの興味を引きつけます。季節やキャンペーンに合わせてコンテンツを更新することで、常に新鮮な印象を与えられます。以下に、具体例を示します。

ターゲット層に響く訴求ターゲット層のペルソナを設定し、その人に響く言葉で訴求します。
季節やキャンペーンに合わせてコンテンツを更新季節イベントに合わせて、限定商品の紹介やキャンペーンを実施します。

⑷商品詳細ページの充実
商品の特徴や魅力が伝わるように、高画質な画像や動画を掲載し、顧客レビューも表示します。よくある質問(FAQ)を設けることで、購入に関する不安を解消し、購買意欲を高めます。以下に、具体例を示します。

商品の特徴や魅力が伝わるように360度のパノラマ画像や、商品の使い方を解説した動画といった高画質な画像や動画を掲載します。
顧客レビュー購入者のレビューをランキング形式で表示し、他のユーザーの意見を参考にできるようにします。
FAQよくある質問(FAQ)を設けることで、購入に関する不安を解消し、購買意欲を高めます。

⑸カートの改善
ゲスト購入を可能にすることで、会員登録の手間を省いたり、クーポンコード入力欄を設けることで、お得感を演出します。また、過去の購入履歴を表示することで、リピート購入を促します。以下に、具体例を示します。

ゲスト購入会員登録の手間を省き、気軽に購入できるようにします。
クーポンコード入力欄お得感を演出します。
カートの中身表示カートに入れた商品を後から確認できるように、カートの中身を表示する機能を追加します。
お支払い方法の多様化クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済など、さまざまな支払い方法に対応することで、ユーザーの利便性を向上させます。

⑹お問い合わせフォームの簡素化
必要最低限の項目に絞り、入力の手間を減らすことで、問い合わせ率を向上させます。以下に、具体例を示します。

必要最低限の項目名前、メールアドレス、お問い合わせ内容など、必要な項目に絞ります。
自動返信お問い合わせ後、自動返信メールを送信し、受付を確認できるようにします。

改善施策実施後の取り組み

⑴効果測定
施策を実施した後には、効果を数値で確認することが重要です。Googleアナリティクスなどのツールを使って、コンバージョン率がどのように変化したかなどを分析します。
A/Bテストと呼ばれる手法を用いることで、複数のバージョンのページを作成し、どちらがより効果的か検証することも可能です。

⑵PDCAサイクル
効果があった施策は継続し、効果がなかった施策は改善したり、別の施策に切り替えたりすることで、ウェブサイトは常に最適化されていきます。

⑶よくある失敗例と対策
ここでは、コンバージョンパス分析で陥りがちな失敗例と対策をご紹介します。

分析結果を鵜呑みにしすぎるデータはあくまでも一つの指標です。お客さまの声も参考にしましょう。
改善策を一度で諦める効果が出るまでには時間がかかることがあります。根気強く続けましょう。
ツールに頼りすぎるツールはあくまで補助的なものです。大切なのは、データに基づいて自分で考えることです。

コンバージョンパス分析は、難しいことではありません。この記事を参考に、ぜひあなたのビジネスに取り入れてみてください。お客さまの行動を理解し、売上アップにつなげましょう!


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