アドボカシーマーケティングという言葉を聞いたことはあるでしょうか。多くの人にとっては、あまり聞き馴染みのない言葉かもしれません。アドボカシーマーケティングとは、企業が消費者の声を活用して商品やサービスを推進するマーケティング手法です。このコラムでは、アドボカシーマーケティングの基本概念やその重要性について詳しく解説していきます。
アドボカシーとは
まずは、アドボカシーの意味から見ていきましょう。
そもそもアドボカシーとは
そもそもアドボカシーとは何だろう？と気になったので、早速、アドボカシーについて、検索エンジン型のAIに尋ねてみました。すると、次のような回答が返ってきました。「アドボカシー（advocacy）とは、「擁護」や「支持」を意味する言葉です。例えば、人権問題や環境問題に対する政策提言や、患者や高齢者、障がい者の権利を守るための活動はアドボカシー活動と呼ばれることがあります。アドボカシー活動は、政府や企業に対して政策の変更を求めるロビー活動や、広報キャンペーンを通じて社会の意識を高めることなど、さまざまな形で行われます。」やはり、アドボカシーはむずかしいですね。正直、ちょっと分かりづらい。
アドボカシーの別の意味
アドボカシーの意味が「擁護」や「支持」だとして、擁護マーケティング、支持マーケティングと言われても、チンプンカンプンですよね。AIも困っちゃうかな？と遠慮がちに、アドボカシーについてもっと詳しく教えて、と尋ねてみたところ「代弁」とか「推薦」という意味でも使われていることが分かりました。答えに近づいたかも。
媒体の変化とアドボカシーマーケティング
マスから始まるマーケティングの変遷
ここで一旦、アドボカシーの意味の話は横に置いて、アドボカシーマーケティングに至るまでのマーケティングの変遷を簡潔にご紹介したいと思います。アドボカシーマーケティングをきちんと理解するため、やや遠回りになりますが少しお付き合いください。随分と昔の事になりますが、1950年～2000年頃まではマスマーケティングがマーケティングの主流でした。特に1960年代以降、一家に一台カラーテレビが普及してからの40年余りはテレビの黄金時代と呼ばれており、大量に作りテレビを使ってプロモーションする一方通行型のマーケティング手法でモノがたくさん売れました。その後、1995年頃から一般の家庭にもパソコンが普及し、消費者がインターネットを当たり前のように利用するようになりますが、インターネットの普及がマスマーケティングの終焉をもたらしました。さらに時代が進み、2008年頃から普及し始めたスマートフォンは、同時に消費者のSNS利用を後押しし、大きな変化をもたらしました。それは、消費者が実際に商品を購入した別の消費者のリアルな声を簡単に知ることができるようになったという変化です。この革命的ともいえる変化は、消費者が商品やサービスを選択する際、企業からの情報だけでなく、よりリアルな別の消費者からの声を参考に買い物を行うようになったことを意味しています。
消費者の声＝アドボカシーマーケティング
消費者が別の消費者の声を簡単に目にすることができるようになり、商品やサービスの選択に大きな影響力を持つようになった現在、消費者自身が発信する「生の声」を最大限に活用することがマーケティング戦略を立案する上で重要になってきています。もう、お分かりですね。そう、企業の代わりに「代弁」したり「推薦」したりする消費者（＝アドボケイト）の声に期待するマーケティングがアドボカシーマーケティングなのです。
アドボカシーマーケティングとは？
マーケティングの主役交代
マスマーケティング全盛の時代は、企業主導でマーケティングが行われていましたが、インターネットが普及することで、消費者は購入前に自ら、商品やサービスなどの情報を調べることができるようになり、SNSの普及で消費者自身が発信する「生の声」がタイムリーに多くの消費者に共有されるようになりました。このように革命的に変化した消費者の購買行動により、マーケティングの主役は今まさに「企業」から「消費者」に交代しているところと言えるのではないでしょうか。主役の座についた消費者に選ばれ続けるためには、消費者ひとりひとりと誠実に向き合い、消費者の満足を第一に考えなくてはなりません。目先の利益だけを追求し、消費者を蔑ろにする企業は、消費者からはもちろん、身内であるはずの従業員からでさえも簡単に吊るし上げられ晒されてしまいます。アドボカシーマーケティングを実践するためには、たとえ一時的に企業にとって不利益なことであったとしても、長期的に消費者のためになることを追求する企業の真摯な姿勢が求められます。
アドボカシーマーケティングとは原点回帰
ここまで紹介してきたとおり、アドボカシーマーケティングとは、実は決して目新しいマーケティング手法ではなく、消費者を第一に考え、誠実に真摯に向き合っていくという至極単純で当たり前のマーケティング手法なのです。特に難しい話ではないはずですが、企業が目先の利益に走らず、原点に立ち戻ってアドボカシーマーケティングを実践することは、意外とむずかしいかもしれません。自社のビジネスは消費者を第一に考え、誠実に真摯に向き合えているか・・・。このコラムをきっかけに、今一度、振り返ってみてはいかがでしょうか。
ここまで、アドボカシーマーケティングについてご紹介してきましたが、アドボカシーマーケティングも含めた販売促進の手段はアナログからデジタルに至るまで幅広く、適切な販売促進の手段は何か、迷われるケースもあるかもしれません。そんな時には、広告のプロに相談することも方法の一つです。NTTタウンページが運営する「Myタウンページ」では、ビジネスオーナーさまのお悩み解決をサポートするサービスを無料で提供しています。
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