ネイティブ広告とは、ユーザーのコンテンツ閲覧体験を妨げないようにデザインされた広告手法です。通常のコンテンツと同じ形式・スタイルで表示されるため、広告だと気づかれにくい特徴があります。例えば、ニュース記事の中に自然に組み込まれた広告や、SNSのフィード中に表示される広告がこれに該当します。ユーザーにとって違和感が少なく、広告効果が高いといわれています。
ネイティブ広告の種類
ネイティブ広告には以下のような種類があります。
- インフィード広告
- ソーシャルメディアやニュースサイトのフィードに自然に表示されて、ユーザーが他のコンテンツと同様に読むことができる受け入れやすい形式です。メディアサイトやニュースサイトのコンテンツ（記事）に紛れるように露出して、広告色を消すことでユーザーは広告を自然に目にするという仕組みです。
- コンテンツレコメンデーション広告
- 記事の下部に「おすすめ記事」として表示されて、記事との関連性が高いコンテンツとしてユーザーに提供されます。通常コンテンツに紛れていて、媒体の中に自然に溶け込んでいることから、ネイティブ広告の一種とされています。ランディングページの記事の一部として自然に露出するように仕掛けられているので、気付かない場合が多く、しかしクリック率・コンバージョン率が高い傾向にあります。
- 検索広告
- 検索結果に溶け込む形で表示され、ユーザーが自然にクリック・タップしやすいようにデザインされた広告です。GoogleやYahoo！検索の検索結果に表示される記事広告です。キーワード（クエリ）に連動して配信することから、興味・関心をひきやすくクリック率も高いのが特徴です。
- プロモートリスティング
- オンラインマーケットプレイス（ebay）で商品リストに自然に組み込まれていて、ユーザーが他の商品と一緒に閲覧できる広告形式です。日本ではebayの利用者が少ないため、あまり耳にされたことはないかも
しれません。
ネイティブ広告は、ユーザー体験を損なうことなくエンゲージメントを高めることに重きを置いた広告となっています。
ネイティブ広告のメリット・デメリット
ネイティブ広告には多くのメリットとデメリットがありますのでご紹介いたします。
ネイティブ広告のメリット
ユーザーエンゲージメントの向上
ネイティブ広告はコンテンツに自然に溶け込んで表示されることから、ユーザーが広告をクリックしやすくなります。これによって、クリック率・コンバージョン率の向上が見込めます。
広告ブロックの回避
多くのユーザーが無駄な広告が表示されないように広告ブロッカーを使用していますが、ネイティブ広告はコンテンツとして自然に表示されるため、広告ブロッカーに引っかかりにくく、表示回数を損ない難いメリットがあります。
ブランドやサービスの認知度向上
ネイティブ広告はユーザーの興味や関心に合わせてカスタマイズされることが多いことから、広告主のメッセージがより効果的に伝わりやすく、そのことがブランドやサービスの認知度向上を手助けします。
ユーザー体験の向上
広告がコンテンツの一部として自然に表示されるため、ユーザーの閲覧体験を損なうことなく広告を表示できます。
ネイティブ広告のデメリット
透明性の欠如
ネイティブ広告があまりにも自然に表示された場合、ユーザーが広告であることに気づけないことがあります。このことによりユーザーの信頼を損なうリスクがあります。
制作コストの増加
ネイティブ広告はプラットフォームごとにカスタマイズが必要なことが多いことから、制作コストや制作時間が他の広告よりもかかる場合があります。
広告の効果測定が難しい
ネイティブ広告はコンテンツと一体化しているため、広告効果を正確に測定することが難しい場合があります。
広告の見逃されやすさ
広告とコンテンツの境目が曖昧になることによって、ユーザーが混乱してしまい、広告を見逃してしまう可能性があります。
ネイティブ広告はユーザーエクスペリエンスを向上させるための効果的な手段ではありますが、デザインや実装は慎重に選択・実行することが肝要です。
ネイティブ広告の活用方法
ネイティブ広告はどのような媒体にどのような形式で出稿すればよいのか、主要なメディアやプラットフォームを例にして活用イメージを説明します。
SNSによるインフィード型ネイティブ広告
Facebook広告
性別や年齢、趣味・嗜好など、詳細なターゲティングが可能となっています。ターゲティングの精度が高く、狙った層にリーチしやすいといった特徴があります。
X（旧Twitter）広告
最も特徴的なのはリツイートの拡散効果です。2次拡散（広告の再リツイート）については広告費が発生ししないことから、拡散されるほど費用対効果が高くなっていきます。
ニュースアプリによるインフィード型ネイティブ広告
Yahoo!広告のディスプレイ広告
Yahoo!広告については「検索広告」と「ディスプレイ広告」の2種類が選択可能です。「ディスプレイ広告」では、Yahoo!ニュース及び各ニュースサイトのコンテンツに広告が表示されます。年齢・性別・地域によるターゲティングが可能となっています。
ペイドサーチ型ネイティブ広告（リスティング広告）
Google広告
消費者がGoogle検索した際に、検索結果ページに表示されるテキスト広告を出稿可能です。検索ワードに対応した広告を表示することから、検索ワードに関連したコンテンツに興味・関心のあるターゲットにアプローチできます。
Yahoo!広告の検索広告
Yahoo!広告における「検索広告」では、消費者がYahoo! において検索した際に、検索結果一覧ページに表示されるテキスト広告を出稿可能です。検索ワードに対応した広告を表示するため、Google広告同様効果の高いものとなっています。
ネイティブ広告の出稿には高度なスキルと戦略が必要となりますが、適切に実施されれば、ユーザーエンゲージメントの向上やブランド認知度の向上に大きく寄与することができることでしょう。
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