通勤通学で電車を利用しているユーザーは中吊り広告を日々目にしていることでしょう。中吊り広告とは、車内に吊り下げられているポスタータイプの広告のことです。主に通路の上部に設置されていて、乗客の目に入りやすい位置に掲示されており、交通広告の定番商品といえるでしょう。運用次第では効果が高く、不特定多数のユーザーにリーチ可能な、昔から存在する人気広告です。
中吊り広告の概要
電車の車内天井部から吊り下げられるポスタータイプ広告で、乗客の目線の少し上に位置するため、視認性が非常に高いです。
サイズ
ポスターサイズについて、基本はB3サイズが一般的ですが、B3ワイド（B3ポスター2枚分）という横に長いタイプもあります。幅の広いことを活かして、インパクトあるビジュアルや大きめのキャッチコピーを掲載することで、乗客の印象に残りやすい広告にすることも可能です。
ターゲティング
路線単位や鉄道会社単位で広告を出稿することができるために、特定の地域やターゲット層に向けた効果的な広告展開が可能です。例えば、初夏に都心部を駆け抜ける地下鉄車内で潮干狩りの中吊り広告を打ちたいなら、子供がいる世帯の多い地域に向かう路線を選択するとよいでしょう。なお、ターゲティングのための世帯属性などについて詳しく調べるためには、総務省統計局が公表している統計資料が有用です。例えば、江戸川区は子がいる世帯が多いことから、都営新宿線へ潮干狩りイベントについての中吊り広告を出稿する、などといったターゲティングの仕方です。もちろん交通広告会社でも過去の知見からそういった情報を豊富に持っているので、ターゲティングに迷った際は相談してみると良いでしょう。
掲出の期間
中吊り広告は3～4日間・7日間のように期間を選べます。元々は週刊誌の発売日に合わせて、3～4日間といった期間での出稿が多かったのですが、紙媒体の衰退影響から週刊誌の出稿が減退したため、現在では1週間出稿が主流となっています。
中吊り広告の特徴・メリット
電車内の天井から吊り下げられるポスターなので、とても目立ち、視認性の高さが特徴です。その他の特徴は以下のようなものがあげられます。
じっくりと読んでもらえる
通勤・通学中の時間なので、車内滞在時間が長い乗客が広告をじっくり読む傾向にあります。
タイムリーな情報発信が可能
中吊り広告は新商品のリリースやイベント情報などを、短期間で多くの人に伝えるのに適しています。タイムリーな情報発信をすることで以下のようなメリットを享受できることでしょう。
信頼性の向上
最新の情報を提供することで、信頼性が高まり情報源としての価値が向上します。
エンゲージメントの向上
タイムリーな情報はユーザーの興味を引きやすく、エンゲージメントの向上が見込めます。
競争優位性の確保
競合他社よりも早く情報を提供することで、マーケットでの優位性を確保することができます。
反復効果
中吊り広告は、毎日同じ路線を利用する乗客に繰り返し見てもらえるため、広告の印象が強く効果が高まります。反復的な情報供給は、商品やブランド、サービス内容の認知度を高めるのに効果的です。繰り返しによって情報がユーザーの記憶に残りやすくなります。
中吊り広告のデメリットについて
中吊り広告にはいくつかのデメリットが存在します。
スペースの制約
中吊り広告は限られたスペースに掲出されることから、情報量に制限があります。小さな文字や繊細な画像では伝わらない表現上の制約も存在しますので、特にクリエイティブに細心の注意をはらう必要があります。
視認性の問題
中吊り広告の位置によっては、ユーザーの視覚から逸れてしまい、広告を見てもらうことができない場合もあります。また、ポスターを吊り下げる部品との兼ね合いで、ポスター上部数ミリから数センチ隠れてしまうこともあります。さらには、混雑時には広告が見えにくくなるため、視認性がさらに低くなる可能性もあります。
広告費用が高額になることもある
路線や出稿期間によってコスト（広告料金）差が大きいです。東名阪などの主要路線については、広告費用が高額になる場合があります。また、長期間かけて商品・サービスの露出を中吊り広告で行う場合については、出稿の工程を繰り返し行わなくてはならないことから、計画的な広告戦略をたてることが必須となります。
審査の厳しさ
中吊り広告は、交通機関といういわば公共の場で掲示される広告であるため、内容や表現に厳しい審査基準が設けられています（各社で基準は異なります）。そのため、使いたかった文言が使えなかったり、イラストや画像に修正が必要になることもあるでしょう。それによって広告制作期間が長引いてしまったり、制作コストが増大してしまうようなことにもつながりかねません。
まとめ
中吊り広告の効果を高めるためには、数秒で目に留めてもらって、降車までの時間内に内容を読んでもらうことが重要です。写真や商品の画像などを大きくレイアウトし視線を誘導したり、クイズや数字パズルなど、じっくり読ませるような工夫を施すと良いでしょう。
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